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PNC TJ1100 97-005, 314 Pages, 1997/01
我が国の地下水流動特性を評価する上で重要な項目として、地下水の動水勾配、及び沿岸部に見られる海水と淡水の密度差によって生じる塩淡境界が挙げられる。地下水の動水勾配は地下水の流速を決定する重要な要因の1つであり、特に地下深部の動水勾配の範囲を把握することは、地下深部の地下水流動が緩慢か否かを評価する上で重要である。一方、塩淡境界の性状(実際の境界面の形状や塩分濃度分布)を把握することは、沿岸部における地下水の流動や水質を評価する上で重要である。このようなことから、本研究は、全国を対象に、既存の公開資料から動水勾配と塩淡境界に関する情報を収集し、我が国におけるこれらの特徴を把握するとともに、国内外の調査・解析事例を取りまとめ、そこで提案されている調査・解析手法に関して我が国における適用性や問題点を検討した。
前川 恵輔; 梅田 浩司; 小出 馨; 今井 久*; 柳沢 孝一
PNC TN7410 94-029, 60 Pages, 1994/05
我が国の地下深部における水理学的特性を概括的に把握するための研究の一環として、東北日本を対象とした地下水流動解析を実施した。解析にあたっては、文献資料をもとにして、東北日本の地形や地質構造の特徴ができるだけ反映されるように考慮した上で単純化した水理地質構造モデルを作成した。さらに、透水係数などの水理パラメータと水理学的な境界条件にもとづいて、解析モデルを多孔質媒体と仮定した3次元有限要素法による定常飽和・不飽和浸透流動解析を実施した。解析結果として、以下のことが得られた。1)東北日本の広域的な地下水流動の方向は、南北に配列した山地部から山間の盆地部や海岸部に向かい、地下水流動の方向は大局的な地形に支配されている。2)深度方向のピエゾ水頭の変化は小さく、深度1,000m以深では静水圧分布を示す。3)深度500m以深では、動水勾配はほぼ0.04以下である。4)解析の結果得られた浸出点は、ほぼ一級水系の流域の内部に分布し、山地と丘陵地の境界などの地形の境界部分に多く位置する。5)海岸部分での側方境界条件の違い(透水あるいは不透水)によって、解析結果に顕著な影響は表れなかった。6)完新世更新世の堆積岩の透水係数を鮮新世の堆積岩のものより高く設定した解析では、透水係数の大小を逆に設定した場合に比べて、地下水流動の方向に顕著な違いは表れなかったが、地表面からの流出量は減少した。
内田 雅大; 岡本 二郎*
PNC TN8410 92-168, 38 Pages, 1992/08
本報告書の目的は、現状の知見に基づきニアフィールドでの水理及び天然バリア中での核種移行を評価する上での条件となる我が国の水理特性の範囲をモデル解析によって導出するとともに、種々のパラメータの影響を評価することである。地下水理は、様々な要因によって支配されるが、このうち特に、地下深部の岩体の透水係数については測定例が少なく、詳細な解析を実施可能な地域は限定されざるを得ない現状である。他方、原子力委員会が策定した「高レベル放射性廃棄物の地層処分研究開発の重点項目とその進め方」においては、我が国における地層処分の技術的実現可能性を、地域を特定することなく幅広く示していくことが求められている。上記の要件を考慮し、地域に固有の特性を合理的な範囲で包絡可能な水理条件に基づいた流動解析を行うことによって水理パラメータを評価することとした。本報告書で記述する水理解析は、最も不確実性の大きい因子と考えられる地下深部の岩体の透水係数が解析結果の暖昧さにつながることを避けるため、動水勾配を水理条件の尺度として捉えることとした。また、保守的な動水勾配を得るために、地層は地表まで飽和されており、我が国の急峻な地形がそのまま固定水頭として地下水流動の駆動力となる様な仮想的な概念モデルを採用することとした。本報告書においては、以下の要因について我が国における地形を整理し、保守性が担保されるような選択を行うことにより水理地質モデルを構築した。(1)地形断面形状として山頂標高、山体斜面の勾配、平野規模(2)境界条件としての領域背後の高山の影響、海側あるいは塩淡境界の影響、谷側においては隣接する水系との干渉(3)透水係数分布としての表層、断層の効果上記の要件を組み合わせることにより、19ケースのモデルを構築し、FEMWATERを用いた垂直二次元定常流動解析を行った。その結果、急傾斜の斜面を挟む2本の断層を想定した場合、急傾斜の斜面、高透水性の厚い表層、平野規模の小さい場合等では、動水勾配の最大値が増加する傾向を示した。逆に背後に高山が存在するケース、2本の断層が存在する場合の一部等では、動水勾配の最大値が減少する傾向を示した。また、動水勾配としては0.01から0.61の範囲であった。
柳沢 孝一; 今井 久; 古屋 和夫; 若松 尚則; 梅田 浩司
PNC TN7410 92-019, 68 Pages, 1992/07
わが国に存在する地下深部の水理条件を把握するために、中部日本の大小2つの領域を対象とした地下水流動解析を行った。中部日本(300500km深さ10km)の解析では文献資料をもとに水理地質構造モデル(透水係数分布を表したモデル)を構築し、その一部である東濃地域(87km深さ3km)の解析では原位置調査結果をもとに水理地質構造モデルを構築した。これらのモデルに基づき、有限要素法を用いて定常三次元飽和不飽和浸透流解析を行った。解析の結果、以下の点が判明した。(1)中部日本の解析では、ピエゾ水頭分布は領域の地形に沿ったものとなる。(2)東濃地域の解析では、表層付近のピエゾ水頭分布は局所的な地形に沿ったものとなり深部でのピエゾ水頭分布は領域の大局的な地形を反映したものとなる。(3)いずれの解析においても、ピエゾ水頭の鉛直方向の変化は浅部を除いて極めて小さくほぼ静水圧分布である。(4)深部(深度500m以深)での動水勾配は、いずれの領域においてもはとんどの部分で0.04未満である。(5)中部日本の解析では、標高-3,000m以深の透水係数分布、飽和度と圧力水頭の関係、および海岸部の側方境界条件を変えても、流動状況に大きな違いは現れない。
仲島 邦彦*; 畑中 耕一郎; 梅木 博之; 佐々木 憲明; 石川 博久
PNC TN8410 92-068, 96 Pages, 1992/06
本解析では、人工バリア及び周辺岩盤から構成されるニアフィールドの地下水流れについて、動水勾配、岩盤の透水係数をパラメータとして感度解析を行い、ニアフィールドにおける流れの状態、緩衝材中の地下水流量、ニアフィールドの物質移動メカニズムについての評価を行った。解析の結果、同じ動水勾配の条件で得られた流れの形態については、岩盤の透水係数の変化に応じた顕著な変化は見られなかった。また、岩盤の透水係数は変化させず、動水勾配を変化させた場合の流れの形態は、動水勾配の大きさ及び方向に応じた変化を示した。計算結果で整理すると以下の結論が得られた。1)ニアフィールドの地下水流れは透水係数の変化よりも動水勾配の変化に大きく影響される。2)緩衝材中を流れる地下水の流量は、解析条件に係わらず10SUP/-210/SUP-3(cm/SUP2/y)のオーダーと非常に小さく、岩盤中の地下水流量に比べて無視しうる。3)核種の移動メカニズムについては、緩衝材中のペクレ数は岩盤中のそれに比べて小さいことから、緩衝材中では拡散現象が支配的である。